令和7年度(2025年度)から新たにスタートする障害福祉サービス「就労選択支援」。
すでにご存じの方も多いかもしれませんが、「就労移行支援」や「就労継続支援A型・B型」など、複数ある就労系サービスの中から、利用者が自分に合ったサービスを選べるようにサポートする、というのがこの制度の大きな目的です。
今回は、事業所側としてどんな体制や対応が求められるのか?を、簡単に解説します。
就労選択支援とは?
「就労移行支援にしようか、それともB型?」「A型ってどんな感じ?」
そうした進路に迷う方々に対し、実際にいくつかの就労系サービスを体験しながら、最適な進路を選択できるよう支援する制度です。
つまり、進学前の「オープンキャンパス」のような役割を担うサービスとも言えます。
実施事業所に求められることは?
① 適切なアセスメントの実施
まずは、対象者の希望や生活状況、就労に対する意欲や課題を把握するための初期アセスメントが重要です。
事業所のスタッフが丁寧な面談を行い、「どんな支援が合いそうか」を一緒に考えるところから始まります。
② 他の就労系事業所との連携
「移行支援の体験をしたい」「A型を見てみたい」となったときに、他の事業所とスムーズに調整を行える連携体制が不可欠です。
これまで競合関係だった事業所とも、体験受け入れや情報提供の面で協力し合うことが、地域全体で支援の質を高める鍵になります。
③ 支援内容の記録と本人の意向確認
支援の過程や体験時の様子を記録することはもちろん、定期的に本人の意向を丁寧に確認するプロセスも求められます。
利用者が「ここにしよう」と納得感を持てるよう、情報提供や振り返りの支援が重要です。
今後の展望と準備のすすめ
この制度は、まだ始まったばかり。
今後は特別支援学校との連携や、地域内のネットワークづくりがますます重要になります。
自事業所でも、受け入れ体制や連携先の確保、アセスメント対応の体制整備など、できることから少しずつ準備を進めておくのがオススメです。
まとめ
「就労選択支援」は、ただの“新サービス”ではなく、
利用者の進路選びに寄り添う仕組みとして、事業所の姿勢が問われる制度です。
今後の運用状況や報酬体系なども注視しつつ、
地域全体で障害者の「働く」を支える体制づくりに関わっていきたいですね。